なぜ買取店は貴金属が欲しい?

なぜ買取店は貴金属やブランド品ばかり欲しがるの?

――「価値がない」のではなく「その店では扱いにくい」だけかもしれません

いつもお世話になっております。杉並区善福寺の古道具屋、ひねもす道具店の店主です。

「実家を片付けていたら、古い食器や置物、掛け軸、茶道具などがたくさん出てきた」

「大手の買取店に持っていったけれど、これは買取できませんと言われた」

「ブランド品や貴金属以外は、ほとんど値段がつかなかった」

このようなお話を、お客様から伺うことがあります。

そこで今回は、少し踏み込んで、

なぜ一般的な買取店では、金・貴金属・高級腕時計・ブランド品などが特に好まれるのか?

ということについて、古道具屋の立場からお話ししてみたいと思います。

金・ブランド品が好まれるのには理由があります

もちろん、金やブランド品を中心に買い取ることが悪いわけではありません。

むしろ、これらの商品は市場価格が分かりやすく、買取業者にとって非常に扱いやすい商品です。

例えば金やプラチナなどの貴金属は、純度や重量、その時々の相場などから価格を算出できます。

高級腕時計やブランドバッグなども、人気モデルや状態、市場での取引価格など、価格を判断するための情報が豊富にあります。

そして何より、

「買い取った後に、どこへ販売するか」が明確です。

小さくて保管もしやすく、持ち運びもしやすい。

つまり買取業者からすると、

査定しやすい・移動、保管しやすい・販売しやすい

という、非常に効率の良い商品なのです。

では、古い食器や置物には価値がないのでしょうか?

ここが、今回一番お伝えしたいところです。

例えば、古い家から出てきた食器。

箱もありません。

作家の名前も分かりません。

有名ブランドでもありません。

このような食器を、ブランド品や貴金属を専門に扱っている買取店へ持っていった場合、

「お値段はつきません」

と言われることがあります。

しかし、

それは「世の中に価値がない」という意味ではありません。

そのお店の販売ルートや専門分野からすると、扱いにくい商品だった、という可能性があります。

これは非常に大きな違いだと思っています。

「価値がない」と「その店では扱いにくい」は別の話

例えば、古い茶道具を見たとき、

「古そうだけれど、誰の作品なのか分からない」

という理由だけで判断することはできません。

器の形、釉薬、作り、時代、箱書き、共箱の有無、使われてきた背景など、さまざまなところを見ます。

古い玩具なら、

「こんな古いおもちゃ、売れるの?」

と思われるようなものの中に、探している人がいる場合があります。

郷土玩具、こけし、木彫りの熊、昭和のおもちゃ、古い食器、民芸品、書道具、掛け軸、木版画なども同じです。

一般の方には一見すると「古いだけ」に見えるものでも、専門的に見れば面白いものが見つかることがあります。

だから私たちは、できるだけ先入観を持たずに拝見するようにしています。

ひねもす道具店が大切にしている「一つ一つ見る」ということ

ひねもす道具店は、貴金属やブランド品だけを探している古道具屋ではありません。

むしろ、

「これは何だろう?」

と思うようなものに出会うことが、私たちの仕事の面白さでもあります。

古い食器なら、箱がなくても拝見します。

有名な人間国宝や著名作家の作品でなくても、買い取りできる場合があります。

昭和の古いおもちゃや郷土玩具、民芸品、茶道具、書道具、掛け軸、絵画、木版画なども、一点ずつ見させていただきます。

もちろん、すべてのものにお値段がつくわけではありません。

ですが、

「有名ではないから」
「箱がないから」
「古いから」
「ブランド品ではないから」

という理由だけで、最初から価値がないと決めつけることはしません。

実家の片付けでは「まとめて見てもらう」ことも大切です

特に気を付けていただきたいのが、実家の片付けや遺品整理の際に、最初から一部の品物だけを選別して捨ててしまわないことです。

長年暮らしてきた家には、思いもよらないものが残っています。

押し入れの奥の箱。

棚の上に置かれた置物。

使わなくなった茶道具。

古いアルバムや絵。

食器棚に残された器。

使い古された書道具。

ご家族が集めていた趣味の品。

ご家族には価値が分からなくても、別の誰かにとっては大切なものになることがあります。

だからこそ、処分する前に一度、古道具や骨董品を専門に扱う買取店に相談していただきたいのです。

「買取できません」と言われても、諦めないでください

これまでにも、

「他のお店では買取できないと言われました」

というお客様からご相談をいただくことがありました。

そして実際に拝見すると、いくつか買い取りできるものが見つかることがあります。

もちろん、他店の査定が間違っていたということではありません。

そのお店にはそのお店の専門分野があり、販売ルートがあります。

査定士の経験が少なく、価値ある品を見落とすことがあるかもしれません。

だからこそ、

買取店によって、得意な商品や評価できる商品が違う。

これは知っておいていただきたいと思っています。

ひねもす道具店は「高いものだけ」を探しているわけではありません

私が出張買取でお伺いしたときに心がけているのは、

「家の中から高価なものだけを探す」ことではありません。

その家に残されたものをできるだけ丁寧に拝見して、

「これは次の方につなげられるかもしれない」

というものを探すことです。

一つではそれほど大きな金額にならなくても、いくつかのお品物をまとめてお売りいただくことで、思っていた以上の金額になることもあります。

そして何より、まだ使えるもの、誰かが大切にしてくれるものを、ただ捨ててしまうのではなく、次の持ち主へつなげる。

それが古道具屋としての、私の仕事だと思っています。

「これは売れないだろう」と決める前に

実家の片付け、遺品整理、生前整理、引っ越しなどで、

「古いものがたくさんあるけれど、何が売れるのか分からない」

という方は、無理にご自身で判断しなくても大丈夫です。

特に古いものは、見た目だけでは価値が分からないことがあります。

「こんなものでも大丈夫ですか?」

というご相談でも構いません。

杉並区を中心に、東京西部の杉並・練馬・世田谷・中野・武蔵野・三鷹・調布・西東京など、さまざまな地域へ出張買取に伺っています。

また、東京都内にお住まいで、ご実家が地方にあるという場合でも、お品物の内容や量によってはお伺いできる場合があります。

実家の片付けや遺品整理で、遠方から何度も通うのが難しいという方も、どうぞお気軽にご相談ください。

買取店選びで大切なのは「何を買ってくれるか」

買取店を選ぶとき、

「一番高く買ってくれる店はどこだろう?」

と考えるのはもちろん大切です。

でも、それと同じくらい、

「自分が売りたいものを、そのお店はきちんと見てくれるのか?」

ということも大切だと思います。

金やブランド品を専門に扱うお店があるように、骨董品や古道具、古い食器、民芸品、美術品などを得意とするお店もあります。

「買取できない」と言われたものでも、

「価値がない」のではなく、「そのお店では扱いにくかった」だけかもしれません。

もしご自宅に、処分するか迷っている古いものがありましたら、捨ててしまう前に一度ご相談ください。

長い年月をかけて誰かが集め、使い、大切にしてきたものを、次の誰かへつなぐ。

それが、古道具屋ひねもす道具店が大切にしている仕事です。

実家の片付け・遺品整理・生前整理で出てきた「これ、売れるのかな?」というお品物も、どうぞお気軽にご相談ください。